宮崎県病害虫防除・肥料検査センターより
平成21年度病害虫発生予報第4号について
平成21年度病害虫発生予報第4号を発表したので送付します。
平成21年度病害虫発生予報第4号
向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は、次のように予想されます。
○ 発生予報の概要
作 物 名 |
病 害 虫 名 |
発生量の 平年比 |
本文の 記載ページ |
| 普通期水稲 | 葉いもち 紋枯病 ツマグロヨコバイ セジロウンカ トビイロウンカ ヒメトビウンカ コブノメイガ |
並 並 並 並 多 やや多 やや少 |
2 2 2 2 2 3 3 |
| 野菜類全般 | アブラムシ類 ハスモンヨトウ等のチョウ目(鱗翅目)害虫 ※ |
並 やや多 |
3 3 |
| 果樹全般 | 果樹カメムシ類 | ― | 3 |
| カンキツ | かいよう病 黒点病 ミカンハダニ チャノキイロアザミウマ |
やや少 並 やや少 並 |
4 4 4 4 |
| チャ | 炭疽病 輪斑病 チャノコカクモンハマキ ※ チャハマキ ※ チャノホソガ カンザワハダニ チャノキイロアザミウマ チャノミドリヒメヨコバイ クワシロカイガラムシ |
並 並 やや多 やや多 並 並 やや少 やや多 やや多 |
5 5 5 5 6 6 6 6 6 |
※は防除情報を発表
○ 作物の生育状況(7月中旬)
普通期水稲は分けつ期、うんしゅうみかんは果実肥大期、茶は三番茶の摘採前~摘採始めであった。
○ 向こう1か月の気象予報
天気は、平年に比べて晴れの日が少なく、気温は平年より高い確率50%、降水量は平年並の確率40%、日照時間は平年より少ない確率40%と予想されている。
(1か月予報 鹿児島地方気象台7月24日発表)
○ 発生予報の根拠および防除対策
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1 葉いもち (並)
[予報の根拠]
(1)7月下旬の巡回調査における発生面積率38.2%(平年36.0%)、発病株率11.9%(平年13.8%)はいずれも平年並である。
(2)向こう1か月の天候は、平年に比べて晴れの日が少なく、気温は平年より高い確率50%、降水量は平年並の確率40%、日照時間は平年より少ない確率40%と予想されている。
[防除上の注意]
(1)葉いもちの見られるほ場では早めに防除する。
(2)穂いもちについては、出穂前に粒剤を施用するか、粉剤または液剤による穂ばらみ後期と穂揃期の防除を徹底する。
(3)特に県北地域における本病の発生状況は、発生面積率60.0%、発病株率30.4%と高い状況であるので注意が必要である。
2 紋枯病 (並)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の巡回調査では発生未確認である。
(2)向こう1か月の天候は、平年に比べて晴れの日が少なく、気温は平年より高い確率50%、降水量は平年並の確率40%、日照時間は平年より少ない確率40%と予想されている。
[防除上の注意]
(1)イネの抵抗性が低下する幼穂形成期から穂ばらみ期にかけて上位葉鞘に進展するので、防除は穂ばらみ期に行い、その後も上位葉鞘への進展が続く場合は2回目の防除を実施する。
(2)株が成長して風通しが悪くなると急激に病勢が進展するので、前年多発したほ場では十分注意する。
3 ツマグロヨコバイ (並)
(1)7月中旬の発生面積率31.0%(平年30.4%)は平年並、20回すくい取り虫数1.2頭(平年1.0頭)は平年よりやや多である。
[防除上の注意]
(1)萎縮病、黄萎病を媒介するので注意する。
4 セジロウンカ (並)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積率69.1%(平年73.8%)、20回すくい取り虫数11.8頭(平年26.9頭)はいずれも平年並である。
(2)県内4か所の予察灯調査において、6月下旬から7月上旬にかけての活発な梅雨前線による下層ジェット気流の発生で、集中的な飛来が認められている。特に6月下旬、都城において多飛来が観察された。
[防除上の注意]
(1)幼穂形成期頃に多発生すると、吸汁による生育抑制、下位茎葉の黄変枯死、出穂の遅れが生じるので、発生状況を見て若齢幼虫期に防除する。
5 トビイロウンカ (多)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積率4.8%(平年3.5%)、株当たり虫数0.011頭(平年0.003頭)はいずれも平年よりやや多である。下旬調 査では、発生面積率41.2%(前年0%、前々年26.5%)、株当たり虫数0.080頭(前年0頭、前々年0.045頭)と急激に密度が高まっている。
(2)国富町・都城市・延岡市における予察灯調査では、6月下旬から7月上旬にかけて集中的な飛来が認められている。特に、都城において多飛来が確認されている。
[防除上の注意]
(1)少ない飛来量でも増殖率が高く、坪枯れ等大きな被害が生じるため、長期残効型の箱施薬を行っている場合でもほ場での増殖に注意し、8月第2~3半旬の第2世代幼虫期の防除を徹底する。(要防除密度は短翅型雌成虫が株当たり0.2頭)
6 ヒメトビウンカ(縞葉枯病) (やや多)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積率40.5%(平年32.8%)は平年並、20回すくい取り虫数1.9頭(平年1.1頭)は平年よりやや多である。
[防除上の注意]
(1)本虫は縞葉枯病を媒介し、近年九州管内において、その保毒虫率が高まっているので注意する。
7 コブノメイガ (やや少)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の巡回調査では、1地点において微発生の確認である。(平年値 発生面積率22.1%、被害葉率0.3%)
[防除上の注意]
(1)県内3か所(都城市・えびの市・佐土原町)のライトトラップ調査では、都城市において6月第4半旬から飛来が確認されており、7月上旬に飛来のピークが観察された。
(2)防除適期は、粒剤を使用する場合は発蛾最盛期で、粉剤及び水和剤等を使用する場合は幼虫ふ化期(発蛾最盛期の7日後)である。
(3)第2世代の幼虫ふ化期は、8月中旬が予想されるが、本年は飛来量は少ないものの、断続的な飛来が確認されているため、ほ場での発生状況を把握し適期防除に努める。
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1 アブラムシ類 (並)
[予報の根拠]
(1)黄色水盤トラップ(佐土原)による誘殺数は平年並に推移している。
[防除上の注意]
(1)作用性の異なる薬剤のローテーション散布を行う。
2 ハスモンヨトウ等のチョウ目(鱗翅目)害虫 (やや多)
※平成21年度病害虫防除情報第3号(7月23日発表)参照
[予報の根拠]
(1)ハスモンヨトウのフェロモントラップ(都城、国富、西都)での誘殺数は、平年よりやや多い状況で推移している。
(2)西都市におけるタバコガ、オオタバコガのフェロモントラップ調査では、7月の誘殺数が特に多く推移している。
[防除上の注意]
(1)早期発見に努め、若齢幼虫期の防除を徹底する。
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1 果樹カメムシ類 (-)
[防除上の注意]
(1)果樹カメムシ類は園外から飛来し、地域や時期によって発生量が大きく変動するので、園内外を見回り、早期発見、早期防除に努める。
(2)台風が襲来した場合は、カメムシが餌としているヒノキやスギの毬果が落果し、果樹園に大量飛来するおそれがあるので、注意が必要である。
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1 かいよう病 (やや少)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の春葉調査では、発生面積率5.0%(平年27.5%)、発病葉率0.1%(平年2.6%)はいずれも平年より少である。
(2)7月中旬の果実調査では、1地点で微発生の確認であり、発病果率0.1%(平年0.9%)は平年並である。
[防除上の注意]
(1)発病した枝葉は、伝染源となるので可能な限り取り除き、園外に持ち出し適切に処理する。
(2)風雨による枝葉の損傷を少なくするため防風垣を整備する。特に台風の襲来が予想される時は事前に薬剤散布を行う。
(3)ミカンハモグリガの被害は、格好の病原菌侵入口となるので、夏秋梢の発生の多いほ場では防除を徹底する。
2 黒点病 (並)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の果実調査では、発生面積率15.0%(平年18.1%)は平年並、発病果率3.0%(平年3.1%)は平年よりやや多である。
[防除上の注意]
(1)感染源となる枯れ枝は、可能な限り取り除く。
(2)剪定枝をそのままほ場周辺に放置していると、激発するおそれがあるので埋設する等適切に処理する。
(3)防除間隔の目安は、積算降水量300mmで、降水量が少なくても1か月後には防除が必要である。
3 ミカンハダニ (やや少)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積率5.0%(平年34.1%)、寄生葉率0.8%(平年4.3%)はいずれも平年より少である。
(2)向こう1か月の天候は、平年に比べて晴れの日が少なく、気温は平年より高い確率50%、降水量は平年並の確率40%と予想されている。
[防除上の注意]
(1)高温・乾燥状態で生息密度が高まる。
(2)生息密度が高くなると防除が困難になるので、寄生葉率30%(1葉当たり虫数0.5~1頭)を目安に防除を行う。
4 チャノキイロアザミウマ (並)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積率10.0%(平年5.0%)は平年よりやや多、寄生果率0.2%(平年0.3%)は平年並である。
[防除上の注意]
(1)密度が高くなると防除が困難になるので、1果当たり虫数0.3頭を目安に防除を行う。
(2)防風垣にイヌマキが植栽されているほ場では、その新芽にも寄生するので防除に努める。
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1 炭疽病 (並)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積率29.4%(平年55.2%)は平年よりやや少、㎡当り病葉数1.9葉(平年5.0葉)は平年より少である。
(2)向こう1か月の天候は、平年に比べて晴れの日が少なく、気温は平年より高い確率50%、降水量は平年並の確率40%、日照時間は平年より少ない確率40%と予想されている。
[防除上の注意]
(1)新芽の生育期に雨が多いと発生しやすい。開葉期に防除を行い、多発生が予想されるときには追加防除する。
2 輪斑病 (並)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積率17.6%(平年8.7%)は平年よりやや多、㎡当り病葉数0.2葉(平年0.5葉)は平年並である。
[ 防除上の注意]
(1)秋芽の生育期に雨が多いと感染しやすい。特に中山間地域では発生が多いので秋芽の生育期に薬剤散布をする。また、摘採・整枝直後の傷口から感染するので、作業後なるべく早く防除を行う。
(2)多発園では新梢枯死症の発生が懸念されるので、秋芽開葉期にも防除を行う。
3 チャノコカクモンハマキ (やや多)
※平成21年度病害虫防除情報第4号(7月27日発表)参照
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積率17.6%(平年2.7%)、㎡当たり虫数0.3頭(平年0.1頭)はいずれも平年より多である。
[防除上の注意]
(1)フェロモントラップ調査による発蛾最盛期は、都城市では6月第6半旬で、次の発蛾最盛期は7月末~8月初めと予想される。誘殺数は、特に都城市で多く注意が必要である。
(2)発蛾最盛期の7~10日後が防除適期である。



4 チャハマキ (やや多)
※平成21年度病害虫防除情報第4号(7月27日発表)参照
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積率11.8%(平年7.3%)、㎡当たり虫数0.4頭(平年0.2頭)はいずれも平年よりやや多である。
[防除上の注意]
(1)フェロモントラップ調査での発蛾最盛期は、都城市、三股町では6月第3~5半旬であった。次の発蛾最盛期は、8月上~中旬頃と予想される。
(2)都城市、三股町での誘殺数が多く、注意が必要である。
(3)発蛾最盛期の7~10日後が防除適期である。



5 チャノホソガ (並)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積17.6%(平年26.8%)、㎡当たり虫数0.3頭(平年0.6頭)はいずれも平年並である。
[防除上の注意]
(1)フェロモントラップ調査での発蛾最盛期は、6月末から7月初めであった。次の発蛾最盛期は7月末から8月初めと予想される。
(2)発蛾最盛期の10日後が防除適期である。



6 カンザワハダニ (並)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の発生面積率17.6%(平年17.0%)、寄生葉率1.4%(平年1.5%)はいずれも平年並である。
[防除上の注意]
(1)同一薬剤の連用を避け、作用性の異なる薬剤のロ-テ-ション散布を実施する。
7 チャノキイロアザミウマ (やや少)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の払い落とし調査による発生面積率35.3%(平年52.9%)、払い落とし虫数2.4頭(平年5.4頭)はいずれも平年よりやや少である。
[防除上の注意]
(1)この時期は卵・幼虫・蛹・成虫が混在し、卵と蛹には薬剤がかかりにくく防除効果があがらないので、残効性の長い薬剤か1週間間隔での連続散布を行う。
8 チャノミドリヒメヨコバイ (やや多)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の払い落とし調査による発生面積率64.7%(平年57.4%)は平年並、払い落とし虫数4.4頭(平年3.1頭)は平年よりやや多である。
[防除上の注意]
(1)チャノキイロアザミウマとの同時防除とする。
9 クワシロカイガラムシ (やや多)
[予報の根拠]
(1)7月中旬の巡回調査では発生面積率17.6%(平年14.5%)、寄生株率4.4%(平年3.5%)はいずれも平年よりやや多である。
[防除上の注意]
(1)防除適期は幼虫ふ化開始から1週間後、または幼虫ふ化最盛期の2~3日であるので、ふ化状況をよく観察して防除する。
(2)薬剤散布量は、成木園で10a当たり1,000リットル程度を目安に、噴口を茶株の中に差し込むなどして、枝幹に十分かかるようにていねいに散布する。
○ 農薬危被害防止運動
6月1日から8月31日は、農薬危被害防止運動月間です。農薬の適正使用により、事故防止に努めましょう。
○ その他
1 農薬適用の有無などについては次のホームページで確認する。
日本植物防疫協会ホームページ http://jppn.ne.jp
農林水産省ホームページ http://www.maff.go.jp/j/nouyaku/
農林水産消費安全技術センターホームページ
(旧 農薬検査所) http://www.acis.famic.go.jp/
2 農薬の使用に当たっては、農薬使用基準の遵守並びに危被害の発生防止に努める。特に水質汚濁性農薬ベンゾエピン剤(商品名、マリックス乳剤、粒剤等)は使用しな いこと。
3 発生量(程度)の区分
多 い (高 い) やや多いの外側10%の度数の入る幅
やや多い (やや高い) 平年並の外側20%の度数の入る幅
平年並 平年値を中心として40%の度数の入る幅
やや少ない (やや低い) 平年並の外側20%の度数の入る幅
少ない (低 い) やや少ないの外側10%の度数の入る幅
(平年値は過去10年間の平均)
4 予察情報の種類
病害虫防除・肥料検査センターから発表する情報は次の5つです。
(1)予 報・・・向こう1か月の発生状況を予測し、毎月25日前後に発表する。
(2)注 意 報・・・主要な病害虫の多発生が予想され、かつ早めに防除が必要な場合に発表する。
(3)警 報・・・主要な病害虫の大発生が予想され、かつ緊急に防除が必要な場合に発表する。
(4)特 殊 報・・・県内で初めて発生を認めた病害虫がある時や、病害虫の発生様相が特異な時に発表する。
(5)防除情報・・・注意をうながす必要がある病害虫の発生状況や、各種の防除技術指導情報について随時発表する。
○ お知らせ(http://www.jppn.ne.jp/miyazaki/)
病害虫防除・肥料検査センターでは、ホームページで情報を提供しています。予察情報の根拠となる地域別調査データ、海外飛来性害虫の飛来状況及び防除対策等を掲載しています。ぜひご利用ください。
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