宮崎県病害虫防除・肥料検査センターより
平成21年度病害虫発生予報第3号について
向こう1か月間における農作物の主な病害虫の発生動向は、次のように予想されます。
○発生予報の概要
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※は注意報を発表
○ 作物の生育状況(6月中旬)
早期水稲は、草丈は短いが茎数が多く葉齢は平年並であった。普通期水稲は移植後~活着期であった。うんしゅうみかんは果実肥大期、茶は二番茶摘採前後であった。
○ 向こう1か月の気象予報
天気は、平年と同様に曇りや雨の日が多く、気温は平年並または高い確率ともに40%、降水量は平年より少ない確率40%、日照時間は平年並の確率40%と予想されてい る。(1か月予報 鹿児島地方気象台6月19日発表)
○ 発生予報の根拠および防除対策
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1 穂いもち (やや少)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査では発生未確認である。
(平年値:発生面積率17.9%、発病株率5.4%)
(2)向こう1か月の天気は、平年と同様曇りや雨の日が多いと予想されている。
[防除上の注意]
(1)葉いもちが発生している場合は、穂ばらみ期から穂揃期の防除を確実に行う。
(2)雨が続く場合、感染の危険性が高いので雨間でも防除を行う。
2 紋枯病 (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査では発生未確認である。
(平年値:発生面積率1.4%、発病株率0.1%)
(2)向こう1か月の天気は、平年と同様曇りや雨の日が多いと予想されている。
[防除上の注意]
(1)穂ばらみ期の防除が基本となるが、上位葉鞘への進展が続く場合は2回目の散布を行う。
3 斑点米カメムシ類 (やや多)
※ 平成21年度病害虫発生予察注意報第1号(6月24日発表)参照
[予報の根拠]
(1)6月のイタリアンライグラスでのすくい取り調査における、ミナミアオカメムシ、クモヘリカメムシ、ホソハリカメムシ及びシラホシカメムシ4種合計虫数17.2頭 (平年12.1頭)は平年よりやや多である。
[防除上の注意]
(1)米の上位等級確保のためには、穂揃期とその7~10日後の2回防除を厳守する。その後も発生が見られる場合には追加防除を行う。
(2)出穂の早い水田には集中的に飛来する恐れがあるので注意する。
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1 葉いもち (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査では、発生未確認である。
(平年値:発生面積率0.9%、発病株率0.1%)
(2)6月中旬のアメダス観測結果を基にしたBLASTAM判定によると、本病の感染好適条件が、県内各地域で複数回、散発的に発生している。
(3) 向こう1か月の天気は、平年と同様曇りや雨の日が多いと予想されている。
[防除上の注意]
(1)本田での初発生に注意し、初期防除を徹底する。雨が続く場合、感染の危険性が高いので雨間に防除する。
(2)苗いもちが発生していた場合、保菌率が高く本田で蔓延しやすいので、防除を徹底する。
2 ウンカ・ヨコバイ類 (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査では、いずれのウンカ・ヨコバイ類も発生未確認である。
(発生面積率の平年値:ツマグロヨコバイ:7.3%、セジロウンカ0.5%、ヒメトビウンカ1.7%)
[防除上の注意]
(1)育苗箱施薬剤を実施したほ場では、薬効期間や発生状況を考慮して防除する。
(2)セジロウンカ、トビイロウンカについては、飛来源である中国南部の発生量が多いことから、病害虫防除・肥料検査センターのホームページ等の発生予察情報等に注意する。
(3)梅雨期に飛来成虫が著しく多く、株当たり虫数が4頭以上(セジロウンカ)になると、稲の生育が抑制されるので早めに防除する。
3 コブノメイガ (-)
[防除上の注意]
(1)本年度の初飛来は、5月末から6月初めに確認された。防除適期は、飛来世代の次世代の発蛾最盛期に粒剤を施用するのが効果的なので、病害虫防除・肥料検査センターのホームページ等の発生予察情報に注意する。
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1 アブラムシ類 (やや多)
[予報の根拠]
(1) 黄色水盤トラップ(佐土原)による誘殺数
は、平年よりやや多で推移している。 [防除上の注意]
(1) 各種のウイルス病を媒介するので、発生初期 の防除に努める。
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2 ハスモンヨトウ等チョウ目(鱗翅目)害虫
(並) [予報の根拠]
(1)フェロモントラップ(都城、国富、西都)
による誘殺数は平年並に推移している。 [防除上の注意]
(1)早期発見に努め初期防除を徹底する。
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1 トマト黄化葉巻病(TYLCV) (-)
[防除上の注意]
(1)トマト黄化葉巻病は、タバココナジラミ類(タバココナジラミバイオタイプQ、シルバーリーフコナジラミ)によって媒介されるので、発病株は見つけ次第抜根し、ほ場から持ち出し埋没処分する。
(2)栽培終了後は株を抜根し、10日間程度ハウスを密閉してタバココナジラミ類を死滅させ、その後残さを処分する。
(3)ほ場周辺の雑草は、タバココナジラミ類の生息場所となり、次作への伝染源となるので除草を徹底する。また、ほ場外に持ち出したトマト残さや野良生えトマト等には特に注意する。
(4)育苗施設の開口部は、タバココナジラミ類の侵入を防ぐために、目合いの細かい防虫ネット(0.4mm目以下)を設置し、育苗期間中は定期的に防除する。
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1 果樹カメムシ類 (-)
[予報の根拠]
(1)県内5カ所に設置された予察灯への誘殺数は、6月上旬に国富でのツヤアオカメムシの誘殺数が多い状況が見られたが、その他の地点では平年並の発生であった。また、チャバネアオカメムシは平年より少ない傾向であった。
(2)県内3地点に設置したフェロモントラップ調査では、ツヤアオカメムシ、チャバネアオカメムシともに平年並~少ない飛来状況である。
[防除上の注意]
(1)果樹カメムシ類は園外から飛来し、地域や時期によって発生量が大きく変動するので、園内外を見回り、早期発見、早期防除に努める。
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1 黒点病 (やや少)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査では発生未確認である。
(平年値:発生面積率24.7%、発病葉率5%)
(2)向こう1か月の降水量は、平年より少ない確率40%と予想されている。
[防除上の注意]
(1)感染源である枯れ枝の除去に努める。
(2)降水量が多いほど発生が多くなるので、前回の防除から積算降水量300mmを散布間隔の目安として薬剤散布を行う。
2 かいよう病 (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の春葉調査では、発生面積率5.0%(平年18.2%)は平年よりやや少、発病葉率0.3%(平年1.5%)は平年並である。
[防除上の注意]
(1)発病した枝葉は、伝染源となるため可能な限り除去し、園外に持ち出し適切に処理する。
(2)梅雨期に予防散布する。
(3)風雨による枝葉の損傷を軽減するため、防風垣等を整備する。
(4)台風の襲来が予想される時は、事前に薬剤散布を行う。
(5)ミカンハモグリガの被害は、格好の病原菌侵入口となるので、夏秋梢の発生の多いほ場では防除を徹底する。
3 ミカンハダニ (やや少)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の発生面積率5.0%(平年25.7%)、寄生葉率0.1%(平年2.2%)はいずれも平年より少である。
[防除上の注意]
(1)生息密度が高くなると防除が困難になるので、寄生葉率30%(1葉当たり虫数0.5~1頭)を目安に防除を行う。
4 チャノキイロアザミウマ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査における発生面積率5.0%(平年2.4%)は平年よりやや多、寄生果率0.1%(平年0.1)は平年並である。
[防除上の注意]
(1)5月中旬から9月上旬の間、数回防除する。
(2)防風垣にイヌマキが植栽されているほ場では、その新芽にも寄生するので同時に防除する。
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1 炭疽病 (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の発生面積率17.6%(平年33.4%)、㎡当たり病葉数0.3葉(平年2.0葉)はいずれも平年よりやや少である。
[防除上の注意]
(1)二番茶残葉に炭疽病の発生みられる茶園では、三番茶でも多発するおそれがあるため、三番茶萌芽期~1葉期に重点的に防除する。
2 カンザワハダニ (やや多)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の発生面積率58.9%(平年48.5%)は平年並、寄生葉率12.8%(平年8.2%)は平年よりやや多である。
(2)向こう1か月の気温は、平年並または高い確率ともに40%と予想されている。
[防除上の注意]
(1)同一及び同一系統薬剤の連用は避け、作用性の異なる薬剤のロ-テ-ション散布を実施する。
3 チャノコカクモンハマキ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査では発生未確認である。
[防除上の注意]
(1)フェロモントラップ調査による発蛾最盛期は、田野では6月上旬、都城・三股では6月中旬で、特に都城における誘殺数が多く注意が必要である。
次の発蛾最盛期は7月下旬頃と考えられる。
(2)顆粒病ウイルスによる防除適期は、発蛾最盛期の10日後であるが、その時期は紫外線が強く、顆粒病ウイルスの活性が低下しやすいので曇天日や夕方に散布する。



4 チャハマキ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の巡回調査では発生未確認である。
[防除上の注意]
(1)フェロモントラップ調査による発蛾最盛期は6月中旬で、次の発蛾最盛期は7月下旬頃と考えられる。都城では第1世代から発生が多く、チャノコカクモンハマキと同様に注意が必要である。チャノコカクモンハマキの発蛾最盛期と10日以上差がなければ同時防除する。



5 チャノホソガ (並)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の発生面積率41.2%(平年22.9%)は平年より多、㎡当り巻葉数0.9葉(平年1.1葉)は平年並である。
(2)県内3カ所に設置しているフェロモントラップでは、田野・三股において、5月末に平年より多い誘殺状況であった。
[防除上の注意]
(1)フェロモントラップ調査による発蛾最盛期は、5月末で、次の発蛾最盛期は7月上旬頃と考えられる。三角巻葉前に防除することが必要で、発蛾最盛期の約10日後(葉裏の表皮下でトンネル状に潜孔している時期)が防除適期である。
(2)脱皮阻害剤は、卵期~皮下潜葉期に散布する。
(3)フェロモントラップ調査による誘殺数が多いため、葉巻が見られた茶園では、多発する恐れがあるので注意する。



6 チャノミドリヒメヨコバイ (やや多)
[予報の根拠]
(1)払い落とし調査による発生面積率52.9%(平年36.2)は平年よりやや多、払い落とし虫数1.5頭(平年1.6頭)は平年並である。
[防除上の注意]
(1)萌芽直後から1、2葉期を重点に防除する。
7 チャノキイロアザミウマ (やや多)
[予報の根拠]
(1)払い落とし調査での発生面積率53.0(平年59.3%)は平年並、払い落とし虫数23.3頭(平年10.5頭)は平年よりやや多である。
[防除上の注意]
(1)三番茶を摘採する園では、新芽生育初期に加害されると減収程度が大きいため、萌芽期の防除が重要である。
(2)深刈りなどの更新処理を行った園では、茶芽の生育期間が長く、被害を受けやすいので残効の長い薬剤で防除する。
8 クワシロカイガラムシ (やや多)
[予報の根拠]
(1)6月中旬の発生面積率47.1%(平年27.9%)は平年並、寄生株率18.2%(平年10.3%)は平年よりやや多である。
[防除上の注意]
(1)防除適期は、幼虫ふ化開始から1週間後または幼虫ふ化最盛期なので、ふ化状況をよく観察して防除する。
(2)薬剤散布量は、成木園で10a当たり1,000リットル程度を目安に、噴口を茶株の中に差し込むなどして、枝幹に十分かかるようにていねいに散布する。
○ 農薬危被害防止運動
6月1日から8月31日は、農薬危被害防止運動月間です。農薬の適正使用により、事故 防止に努めましょう。
○ その他
1 農薬適用の有無などについては次のホームページで確認する。
日本植物防疫協会ホームページ http://jppn.ne.jp
農林水産省ホームページ http://www.maff.go.jp/nouyaku/
農林水産消費安全技術センターホームページ
(旧 農薬検査所) http://www.acis.famic.go.jp/
2 農薬の使用に当たっては、農薬使用基準の遵守並びに危被害の発生防止に努める。 特に水質汚濁性農薬ベンゾエピン剤(商品名、マリックス乳剤、粒剤等)は使用しないこと。
3 発生量(程度)の区分
多 い (高 い) やや多いの外側10%の度数の入る幅
やや多い (やや高い) 平年並の外側20%の度数の入る幅
平年並 平年値を中心として40%の度数の入る幅
やや少ない (やや低い) 平年並の外側20%の度数の入る幅
少ない (低 い) やや少ないの外側10%の度数の入る幅
(平年値は過去10年間の平均)
4 予察情報の種類
病害虫防除・肥料検査センターから発表する情報は次の5つです。
(1)予 報・・・・向こう1か月の発生状況を予測し、毎月25日前後に発表する。
(2)注 意 報・・・・主要な病害虫の多発生が予想され、かつ早めに防除が必要な場合に発表する。
(3)警 報・・・・主要な病害虫の大発生が予想され、かつ緊急に防除が必要な場合に発表する。
(4)特 殊 報・・・・県内で初めて発生を認めた病害虫がある時や、病害虫の発生様相が特異な時に発表する。
(5)防除情報・・・・注意をうながす必要がある病害虫の発生状況や、各種の防除技術指情報について随時発表する。




